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愛宕権現社はかなり元気だ。 [気になる本]

 

 先日、愛宕山からの眺めを見に行き、愛宕権現へ参詣したときお守りを買わず、いえ、お譲りいただかず、神主が書いた本をかわりに譲っていただいた。そう、ここの神主には若い女性、しかも姉妹がいるのだ。ミーハーなわたしは、ついでにご本人から裏扉にサインももらってきた。・・・ウレシイ。(^^; 愛宕山からの現在の眺めは、「なんにも見えないClick!でご紹介したが、きょうは愛宕権現について少し・・・。
 神主の仕事というのは、厄払いや七五三、結婚式、地鎮祭などのお祓い・・・以外、具体的に知っている人は少ない。実際、どんな仕事をこなして、どのような日常生活を送っているのだろうか? 神秘のベールに包まれている・・・わけがない。神主も、わたしたちと同様にトーストで朝食もとれば、映画やTVも観て、ときにイベント(祭事や行事)のプランニングもすれば出張アルバイトもし、表示を気にしながらWebサイトの更新だってする。要するに、ほとんどわたしたちと同じような生活を送っているのだ。それをわかりやすく書いたのが、愛宕権現社の権禰宜・松岡里枝さんによる『「ジンジャの娘」頑張る!』Click!(原書房)だ。彼女は、いまは権禰宜だが、やがては愛宕社の宮司になるに違いない。本書の「あとがき」には、こう書かれている。
   
 何年か前に見た映画のなかに、デンゼル・ワシントン演じる弁護士が「私を六歳の子供と思って説明して下さい」というセリフがありました。その時私は「神主に足りないのはコレでは?」と、それ以後なるべく分かりやすい言葉で話そうと心がけてきました。
   
 愛宕権現社といえば、Webサイトをもっとも早くから起ち上げたジンジャとして“有名”だ。サイトの設置は、1996年(平成8)と、ほとんど大手企業しかWebサイトを公開していなかったときに、すでに愛宕社Webサイトは存在していた。しかも、「バーチャル参拝」なんていうおもしろい仕掛けも用意して、誰でも気軽にもっとジンジャへおいでよ・・・というコンセプトのもと、手作りのサイトが楽しかった。ちなみに、わたしもすぐにバーチャル参拝している。「不謹慎だ!」なんて声もあったようだが、世人の社(やしろ)ばなれを止める具体的な対案も持たずに、非難(批判ではない)したい人たちには勝手に言わせておけばいい。
 初詣やお祭りなどに出かけたとき、純白の白衣に真紅の袴を見かけると、「あっ、巫女さんアルバイトだ」と思っていたわたしは浅はかだった。確かに、「巫女さん」衣装なのだが、祭りで多忙な神主の仕事を助(す)けるために、他の社の女性神主が出張して手伝っているケースもあるらしい。あっ、アルバイトには違いないか。(^^; だから、上記の衣装の女性を見かけても、巫女とは限らないのだそうだ。もっとも、巫女さんは神主をサポートする“助手”などではなく、卑弥呼(日巫女)のように、神に仕える女性こそ本来(原日本)の“神主”であり、男の“神主”はより新しい時代(8世紀以降)のものだ・・・という、民俗学的な考えもあることはあるが・・・。戦前の東京下町には、町内ごとに政(まつりごと)と生活(たつき)の両分野で、相談役としての“神”につかえる巫女さんが確かに存在していた。
 

 本書の中で、「靖国神社」をめぐる彼女の考え方はわたしとは異なるが、とにかくジンジャっていったいなんだ?・・・と思われている方には、最適な入門書に違いない。戦前の「国家神道」的な匂いを超えて、インドの仏教などよりもはるか昔、海流にのって伝来したポリネシア系の神をプロトタイピングしたといわれるイザナミ/イザナギ(女神優先/笑)をはじめ、アイヌ民族のカムィユカルや琉球のアマミク神話をも含めた2000年以上におよぶとみられる、“日本の神々”を知るいいきっかけになるかもしれない。日本各地の神話物語は、ギリシャ神話や北欧神話よりも、はるかに雄大かつ奥が深い。

愛宕神社Webサイト Click!
■写真上は現在の愛宕下(ほんとは広重に倣って愛宕下雪中を写したかった)で、はフェリックス・ベアトが撮影した幕末の同所。幕府から派遣されたベアト警護の役人と、年寄りなどの参詣者をおぶって階段をのぼる背負い人足が見える。
■写真下は『「ジンジャの娘」頑張る!』、は愛宕大祭の様子。


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ChinchikoPapa

こちらにも、nice!をありがとうございました。>さらまわしさん
by ChinchikoPapa (2014-08-14 21:55) 

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