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新しい銘柄「PANDORA RIGHTS」。 [気になるエトセトラ]

 わたしは知らなかったけれど、JTから新しいタバコの銘柄が出ていたらしい。「PANDORA RIGHTS」という商品名で、ある方からいただいた珍しい製品だ。ネームは、もちろんギリシャ神話の女神パンドラが持ちこんだ、“パンドラの箱”から来ているのだろう。フタを開けたら、ありとあらゆる災いが地上に飛び出して、急いでフタを閉めたら底のほうに残ったのは、唯一「希望=HOPE」だけだった・・・という、あの有名な説話だ。
 そういえば、このタバコのデザインは、どこか「HOPE」に似ている。弓矢のカラーが赤いところをみると、「PANDORA RIGHTS」は「HOPE LIGHTS」の姉妹品なのかもしれない。「RIGHTS」とは、そのままストレートに「右」という意味だろう。パッケージの注意書きには、次のようなメッセージが印刷されている。

 昨年、大きな問題となった、報道統制の先駆けとなりそうなドーカツ法案「機密漏えい防止法」を記念して、発売されたタバコだろうか? 吸いすぎると、どうやら「平和を損なう」=身辺を危うくする怖れがあるようだ。政府自民党や各省庁の内情を、根ほり葉ほり批判的に取材して、報道(発表/表現)しようものなら、どこからか“特高”(公安)がやってくる愚劣な時代に逆もどりしたのかもしれない。
 この「PANDORA RIGHTS」を買うと、もれなくマッチがサービス品として付いてくるそうだ。こちらは「PEACE HOPE」という銘柄で、「スマイルくんも たまにはおこる」というキャッチフレーズが印象的。サブキャッチとして、「いつもにこにこしちゃおれないはず・・・」、「憲法改正に反対」、「教育基本法改正に反対」と印刷されている。そして、マッチ箱の裏面には次のようなコピーが印刷されていた。

 わたしはいま、蜂蜜の香りのする「HOPE LIGHTS」を吸うことが多いのだけれど、「PANDORA RIGHTS」はあまり違和感なく、そのまま吸えてしまいそうなのが怖い。でも、「平和を損なうおそれ」があるそうだから、吸いすぎには注意をしよう。よく見ると、JTとは「日本たぶう産業株式会社」と書いてあって、「日本たばこ産業株式会社」とはどうやら別会社のようだ。
 
 タバコ飲みの悪癖のある方、街中で「PANDORA RIGHTS」を見かけたら、ぜひ一度、じっくりと味わっていただきたい。「HOPE LIGHTS」とは異なり、蜂蜜の風味もしなければ香ばしくもない、ただ、やたら苦いだけのまずいタバコなのだ。これを吸いすぎて中毒になってしまうのは、きっと政治家や省庁の官僚たちだけだろう。
 彼らの感覚は、とうにマヒしているので苦味が感じられず、きっとこの風味が密の味、いや蜜の味に感じられるのかもしれない。なんとも、不健康で物騒な世の中になったものだ。

■写真:新銘柄タバコ「PANDORA RIGHTS」と、おまけのマッチ「PEACE HOPE」。


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負け犬

これってホント? どこで買えるんですか?
by 負け犬 (2006-09-27 12:23) 

ChinchikoPapa

タバコの「PANDORA RIGHTS」のほうは、さすがに人気が高くてすでに完売御礼となってしまったようですが、マッチのほうは、まだ手に入ると聞きました。負け犬さん、執筆時にこのマッチを使われると、とても原稿がはかどるかもしれません。(笑)
by ChinchikoPapa (2006-09-27 13:37) 

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