【緊急】 佐伯祐正の「善隣館」支援について。 [気になるエトセトラ]
大阪市北区中津にある、佐伯祐正Click!が光徳寺で創立したセツルメントClick!、社会福祉法人「光徳寺善隣館 中津学園」Click!の園長・渡辺祐子様(旧姓・佐伯祐子様)より、先日ご連絡をいただいた。渡辺様は、佐伯祐正の孫にあたられる方だ。
現在、同施設は予想される「南海大地震」などに備えて強固な施設の建て替え中とのことだが、施設内に創立者の佐伯祐正および生家である佐伯祐三Click!の思いを伝えるため「アーカイブギャラリー」、および地域の子どもと障がい児たちのための「アートワークショップ」の開催を予定されており、同施設を開設するためのクラウドファンディングのプロジェクトを実施・推進されている。以下、渡辺様よりのコメントをそのまま引用してみよう。
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(前略) 祐正は道人様も記事に書いてくださったように、イギリスのトインビーホール
を真似て、大阪市北区中津(祐三の生家)の敷地内に「善隣館」を建てました。今年は
祐正が方面委員(今の民生委員)の事務所を敷地内に置き、実質的に福祉事業を始めてか
ら100年が経ちます。
戦後は、焼け跡に保育園を建設して地域の戦災孤児や戦争未亡人の支援もしてきまし
た。1961年よりは、自宅で育てることが困難な障がい児の福祉型居住施設を運営しおり
ます。63年経ち園舎が老朽化し、雨漏りやひび割れもひどく、まして南海大地震に対し
ての備えも必要なために、建て替えを始めました。
建物を新しくするのに合わせて、祐正・祐三の思いを伝えるため、アーカイブギャラ
リーを作り、また、地域のこどもと障がい児たちのアートワークショップも開催する予定
です。そのための資金を集めるため、クラウドファンディングを開始しましたが、あまり
広がりを見せず、できたら道人様に拡散していただけないかとメッセージお送りました。
厚かましいお願いですが、ぜひ支援や拡散をよろしくお願いいたします。
もし説明が必要であれな、メールや文章で改めて説明させていただきます。
応募期間:2024年11月1日〜2024年12月16日
https://camp-fire.jp/projects/758268/view
(社福)光徳寺善隣館 中津学園
園長 渡辺祐子
担当 河﨑洋充
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詳細は、「洋画家佐伯祐三の生家で障がい児と地域のアート拠点とアーカイブギャラリーを作りたい」の、クラウドファンディングページClick!をご参照いただきたい。ほかでは入手できない佐伯祐三のポストカードや複製画、Tシャツなど支援用の楽しいアイテムがいろいろあり、わたしもさっそくポストカードによる支援をさせていただいた。クラウドファンディングの期間が12月16日までと短いため、支援の意志がおありの方は、できるだけお早めにCAMPFIREの上記ページよりご支援いただければと思う。
「善隣館」が活動をはじめてから、すでに100年もの歳月が流れようとしている。その真摯な活動に共鳴・共感される方、あるいは大正期から盛んになったセツルメント活動に興味のある方(拙記事では、関西地域の「善隣館」や賀川豊彦Click!のケースをご紹介しているが、この地域では東京帝大セツルメントClick!について触れている)、そして佐伯祐三とその芸術がお好きな方は、ぜひクラウドファンディングに協力いただければと思うしだいだ。
なお、光徳寺善隣館 中津学園については、「中津学園 園舎建替え工事応援」サイトClick!も開設されているので、興味のある方はこちらもご参照いただければと思う。
◆写真上:昭和初期ごろに撮影された、佐伯祐正のセツルメント「善隣館」。壁面には、佐伯祐三の『滞船』や『薔薇』をはじめ滞仏作品が架けられている。
◆写真中:上は、セツルメントの研究で渡欧・渡米し、1925年(大正14)の夏にパリの佐伯祐三アトリエで撮影された佐伯祐正。(撮影は佐伯祐三とみられる) 中・下は、昭和初期に撮影された「善隣館」のモダンな外観と内部だが、1945年(昭和20)の中津地域への空襲により光徳寺の本堂と境内に付属していた同館は全焼している。
◆写真下:クラウドファンディングCAMPFIREに掲載の、「洋画家佐伯祐三の生家で障がい児と地域のアート拠点とアーカイブギャラリーを作りたい」のトップページ。