26日(土)の午前中、ご近所のMさんから突然電話がかかってきた。薬王院の西側にあるマンションで、吹き抜けの廊下から落ちたタヌキが、屋根の上で身動きがとれなくなっているというのだ。いまだ一度もタヌキの写真を撮れていないわたしは、さっそく救出のお手伝いと写真撮影に出動した。でも、最初に驚いたのは、タヌキがいた場所だ。薬王院の西側・・・というのは、いままで聞かなかったポイントだ。ひょっとすると、K邸へ夜な夜な現れるタヌキとは別個体かもしれない・・・、そう思った。
 従来、タヌキが目撃されていたのは、東は山手線のガード脇にあるコンビニや公園、おとめ山公園、「下落合みどりトラスト基金」活動の対象となっているE邸、そのお隣りのK邸、野鳥の森公園とその丘上にあった社宅のベランダ、そして西の薬王院の森までだった。ところが、連絡を受けた場所というのは聖母坂に近い、久七坂沿いの住宅街だ。このぶんでいくと、タヌキの活動範囲やテリトリーは、下落合のグリーンベルトの中だけではなく、西は聖母坂方面まで、東は学習院の血洗池のある森まで“出張”しているのかもしれない。
 実際にタヌキに会ってみて、まず驚いたのは意外に大きいことだ。勝手に大きなネコぐらい・・・と想像していたのだが、ちょっとした犬ぐらいのサイズはある。安全な森へ帰すために捕獲する際、タヌキは緊張からかおしっこを漏らしてしまった。いや、その匂いのすさまじいこと。数年前、野鳥の森公園の上にあった社宅のベランダが、3匹の子連れダヌキのトイレがわりに使われていて、住民の方がその匂いに悲鳴をあげていた。確かに、悲鳴をあげるわけだ。

 タヌキは、ほんの15分ほどで無事捕獲され、慎重に運ばれて野鳥の森公園で解放された。K邸の方に確認していただいたところ、夜な夜な現れる2匹のタヌキとは、やはり別個体とのことだ。タヌキは、一目散に森へと駆けこんで去ったそうだが(わたしは所用があって解放シーンを見ていない)、いったいこの山には何匹のタヌキが棲息しているのだろう?
 読み返して、ふと笑ってしまった。わたしは、東京の都心のことを、都庁がそびえる新宿の風情を書いていることに気がついた。自分で文章を書きながら、信じられない。(^^; 詳細は、「下落合みどりトラスト基金」サイトへ・・・。

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■写真:上は屋根に落ちてしまったタヌキ君、下は解放前の様子。