お化けや幽霊が出る部屋に、寺社からもらった御札や護符を貼る…という話はよく聞く。魔物(モノ=鬼)が入り込めないように、“結界”を張り巡らすわけだ。その御札や護符の結界をといてしまうと、あっという間に魔物に取りつかれて生命を奪われる。三遊亭圓朝の『牡丹灯籠』あたりが、まず思い浮かぶシチュエーション。でも、こんな護符は見たことない。
 ふつう、自分の家の中なら、自由にどこへでも行ける…と思うかもしれない。わたしも、いままでは当然のようにそう思ってきた。でも、最近は決してそうではないことに気づいた。家の中に、すごく強力な結界が張られている“聖域”があるのだ。そして、わたしはそのエリアへ踏みこむことができない。もう、ハナから拒絶、「イヤだ」「入るな」「近づくな」…と、邪気退散の護符は語っている。
 オズガキ(上)に、バルコニー付きで日当たりと眺望がいちばんいい部屋など、決してあげるんじゃなかった。(--;