少し前、りえさんのブログClick!で「銭湯のクリスマス」の話をさせていただいたのだが、サンタがやってくるはずの煙突のある家庭がほとんどなくなった昨今、立派な煙突が残る銭湯には絶対確実にやってくるのだ・・・ということで、クリスマスのイルミネーションを飾りつける銭湯が多くなってきた。もっとも、長い長い、ほんとうに長い銭湯の煙突をくぐり抜けている間に、サンタは煤煙で真っ黒になってしまうだろうが・・・。
 さすがに、高い煙突へ電飾をつけている銭湯はまだ見たことがないが、入り口あたりをクリスマスの装いにする店はときどき見かける。破風屋根にクリスマスのイルミネーションと、まあ、なんともミスマッチなことはなはだしいのだが、それが見なれた風景のひとつにでもなってみれば、「ああ、もうクリスマスか」・・・などと風情を感じるから不思議だ。12月24日の夜、湯船にはいったいなにが入っているのだろう。
 わたしの学生時代、アパートから50mほどのところにあった目白通り沿いの銭湯では、5月5日(端午の節句)の「しょうぶ湯」と12月冬至の「ゆず湯」ぐらいしかなかったが、最近は10月10日(銭湯の日)には「ラベンダー湯」というのがあるのだそうだ。この手の芳香剤系の甘い香りが苦手なわたしは、湯船に浸かっただけで頭痛がしてくるかもしれないので、どんなに汗をかいていてもこの日はきっとパスしただろう。一連の植物つながりで考えると、クリスマスイヴの湯にあえて入れるとすれば、ヒイラギの枝葉だろうか。もっとも、湯船から上がるころには、身体じゅうがすり傷だらけで、カッカと必要以上に温まっているかもしれないけれど・・・。

 風呂屋の長い煙突を、途中でつっかえずにくぐり抜けてやってくるサンタは、独特なテクニックやノウハウを修得した特殊技能サンタだろう、一般家庭へやってくるサンタとは、別人のような気がする。そう、きっと本名は銭湯ニコラスというに違いない。(><;☆\湯冷めしそうだ

■写真上:早稲田の老舗、「松の湯」のイルミネーション。
■写真下:高田馬場の神田川沿いにある、倉庫・・・と思ったら教会だった。