「負け犬番外編」・・・と、在りし日の東映映画みたいですが、比較的最近DVD化された6本をピックアップしてみました。お近くのレンタルショップへ出かけられた際には、ぜひ!

『美しい夏-キリシマ』(黒木和雄監督/日本/2003年)
 第二次世界大戦末期、戦争に行けず宮崎の地に取り残された男たちと、女たちの人間くさい日常をていねいに描いた作品。八月八日の長崎を舞台に、同じ黒木和雄監督の『TOMORROW明日』が穏やかで美しい日常から一転、静かな最期を迎えるのに対し、こちらは騒々しいまま生きていく人びとがいとおしい。
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『オアシス』(イ・チャンドン監督/韓国/2004年)
 現代韓国のリアルな恋愛映画という意味では、彼氏をオッパー(お兄ちゃんの意味)でも、タンシン(あなた)でもなく、キョヌと名前で呼んだ『猟奇的な彼女』に匹敵する。韓流ブームが去った後の韓国映画界を支えるのはまちがいなくこの人。ソル・ギョングと、ムン・ソリの体当たりの演技はせつなすぎ。
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『私の小さな楽園』(アンドルーシャ・ワディントン監督/ブラジル/2003年)
 ひとつ屋根の下で三人の男と、それぞれの子どもたちと暮らす女性の半生記が実話と聞いてビックリだが、よく見れば男はどれもダメなやつばかり。貧しいイナカ町で、家だけはあるが、毎日外へ働きに出ているのは主人公の女だけ。でも、そこはブラジル、ラティーノならではの大らかでハッピーな映画になっている。
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『堕天使のパスポート』(スティーヴン・フリアーズ監督/イギリス/2002年)
 決して高級とはいえないホテルでは、違法滞在者とのあいだでパスポートと引き換えに、ちょっと考えられないものが取引されている。オドレイ・トトゥに『アメリ』のような魔法は使えないが、代わりに彼女のルームメイトがクレバーに、現実的に後半をまとめてくれる。最近にはめずらしい、後味のいい映画だ。
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『下妻物語』(中島哲也監督/日本/2004年)
 ヤンキーばりばりの土屋アンナと、ロリータファッションの深田恭子が親友になるまでという、嶽本野ばらの少女マンガな世界を、中島哲也がオーバーアクション全開で監督。女どうしの友情なんてねえ・・・という人ほどハマるらしい。ロリータの母=篠原涼子&父=宮迫博之の過剰な演技にも腹を抱える。
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『69』(李相日監督/日本/2004年)
 大学生のお兄さんたちがやっている闘争も、海の向こうのロックフェスティバルも、すべては女の子にモテるための道具という男子高生の汗くさい映画は、ごぞんじ村上龍の原作。二十代後半の安藤政信、澤田俊輔に高校生役はムリがあるが、加瀬亮はまだいけそう。妻夫木聡は、恋愛物より断然いい。
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