いちばん書きたいときに、いつも長期メンテナンスを実施してくれるSo-netブログなのだ。今回は、データベースの総取っかえとのことで、当分また表示の不具合がつづくのだろう。
 6月10日(土)より、「目白・下落合/歴史的建物のある散歩道」写真展が、無事スタートした。写真展の直前には、旧・近衛篤麿邸の真上に建つF邸を、小道さんたちとともに撮影させていただいた。そのあと、さっそくF様が会場におみえになり、目白・下落合地区に残る歴史的な建物を興味深そうにご覧になっていた。(ほんとうに、ありがとうございました) 1922年(大正11)建築のF邸については、改築前後の写真なども含め、ぜひ改めてこちらでご紹介したい。これで、撮影を予定させていただいた邸宅で未撮影は、目白文化村の残り1軒のみとなった。
 写真展の会場には、『エロシェンコ氏の像』が掲載された中村彝画集や、『下落合風景』の載った佐伯祐三画集も備えている。また、今回の日本建築学会の近代建築データベースへの登録詳細が掲載された、各種資料類も同時に展示している。データベースへ登録する実際のCGIフォームのハードコピーも掲載されていて、登録の概要をご覧いただけると思う。
 初日には、100名以上の方々が写真展におみえになった。みなさん、受付で手にされたマップをご覧になりながら、「これ、うちの近所」と楽しそうに話される方もいる。「まだ、こんなにたくさん近代建築が残ってるの?」と驚かれる方もあれば、「こんなに少なくなってしまって。わたしが子供のころはね・・・」とお話される方もある。それを、会場におみえの方が耳にし、双方で情報交換されるシーンを何度か見かけた。こうして、地域の記憶や現状が少しでも共有されて、ほんの少しずつかもしれないけれど、横へと拡がってくれれば、とってもうれしい限りだ。
 
 
 印象的な会話があった。「目白・下落合なのに、中落合のほうまで入ってるよ」、「昔は、みんな下落合だったのよ」・・・。そう、そのあたりもタイトル付けのねらいなのだ。「目白・下落合」なのに、中落合も中井2丁目も入っている。豊島区・新宿区の行政区画や、60年代に付けられた新しい町名にはこだわらず、あえて昔から連綿とつづく「下落合」と、大きなくくり方をしている。「目白」だって、旧・雑司ヶ谷旭出や巣鴨代地ばかりでなく、上屋敷や池袋まで入っているのだから・・・。
 初日には、中山弘子新宿区長もおみえになり、目白・下落合地区に残る貴重な建物を熱心にご覧になっていた。中村彝のアトリエ保存をはじめ、少しでもこの地区の景観づくり、街づくりの参考にしていただければと思う。建築関係の方だろうか、熱心にメモをとられている方もいた。ふだん、このブログへコメントをお寄せいただいている方々もおみえになった。また、なぜかフランス人の方も来場し、写真と画集をご覧になりながら「スバラシー」を連発されていた。マップをお持ちなら、期間中に何度でもご覧いただける。
 目白・下落合の貴重な建築はもちろん、日本全国に残る近代建築の画像も同時に展示されている。ご興味がおありの方は、ぜひご来場ください。

「目白・下落合歴史的建物のある散歩道」
●期間:6月10日(土)~6月17日(土)
●会場:三春堂ギャラリー

■写真上:三春堂ギャラリーの会場入口の様子。アジサイは、中村彝アトリエのS様から。
■写真中下:写真展会場の様子と、早々にご来場いただいた中山新宿区長。