「怪談」シリーズを、ちょいと中休み。ふたりとも、わが家の15歳になる娘たちだ・・・と言いたいのだが、残念ながら下のオスガキのガールフレンドたち。・・・ん? 「たち」?(-_-; 下落合公園祭り、氷川明神祭、おとめ山公園蛍祭りなど、下落合でお祭りがあると、わが家は浴衣を着た彼女たちの出撃拠点となる。小さいころから遊びに来ていて、いまや15歳の娘盛りなのだが、ふたりとも160cmをゆうに超えて大きい。もうすぐ170cmを超えそうで、わたしは追いつかれてしまうかもしれない。
 先週末、近くの下落合公園でお祭りがあった。住民から親しみをこめて、「下公(しもこう)」と略して呼ばれたりする公園だ。年に一度、ちょうど東京のお盆の時期、公園内に夜店がたち並び、買い食いにゲームに、きりのないダベリング(死語?)と楽しい夏の夜をすごすことができる。さっそく彼女たちはうちへやって来て、持参の浴衣を着せてもらったあと、下のオスガキのクラスメートたちとともにお祭りへ繰り出していった。
 帰ってきたのは、夜の10時すぎごろ。時間帯からすると、もう立派な不良少年少女たちなのだが、話を聞いたら下落合公園で、お祭りで出たゴミの後片づけを手伝っていたとのこと。手伝ったご褒美に、たくさんの売れ残り稲荷寿司をもらってきた。そこで大目にみてあげて、お祭りの夜だし11時過ぎまでうちの1階を開放して、とりとめのないダベリングのつづきをさせてあげる。帰宅が深夜になるので、オスガキたちは娘たちをガードしながら送っていった。
 近くに住む親子連れたちの憩いの場であり、子供たちが年に一度のお祭りを楽しみにしている、この下落合公園。もともとは、本田宗一郎邸があったところで、『落合新聞』の竹田助雄氏たちの尽力により新宿区立公園になった経緯がある。本田宗一郎邸は、公園化の話が持ち上がる以前、すでに西落合へと転居していて、別邸のような使われ方をしていたらしい。この旧・本田邸を西へ入ったところに、わたしの好きなパイ工房「Rolling Pin」がある。ちょうどいまの季節しか食べられない、ここのフレッシュチェリーパイは絶品だ。ただし、盛夏は軽井沢の支店へ「避暑」に出かけてしまうのが残念なのだが・・・。

 家の中で、若い女の子たちの笑い声が響くと、とたんに全体が明るく華やかな雰囲気に包まれる。いつも、むさくてでかいオスガキどもしかいないと、なんとなく殺伐としてくるわが家なのだが、下落合に祭りの多いこの季節、オスガキ上のガールフレンドとその友だちも混じったりして、わが家は華やぎの季節を迎える。「たっぷり遊んどいで。年取ってから遊んでも、面白くもなんともねえぞ」。さて、次は御留山の蛍狩りに出撃かな?

■写真:出撃直前のショット。華やかな花文庫(左)とゴージャスな蝶(右)の結びがとても可憐だ。