「下落合みどりトラスト基金」が設立されてから、もうすぐ1年が経過しようとしている。当初は、今年の4~5月ごろには決着がついている、つまり、業者が集合住宅の建設をあきらめ新宿区が屋敷森を買い取るか、あるいは、屋敷森がすべて伐採されて着工されてしまうか・・・という状況だと判断していた。だから、「トラスト基金」メンバーの誰もが、これほど長期間にわたる活動になるとは、正直思ってもみなかったのだ。
 建設計画が大幅に遅れているのは、ひとえにみなさまのご支援・ご協力のたまもの、大きな成果のひとつだと思う。中山新宿区長への署名も、すでに5,000名を突破した。故・竹田助雄氏をはじめとする御留山(現・おとめ山公園)保存運動のときの署名数の、ゆうに6倍を超えていることになる。また、トラスト基金へ寄せられた総額は、約2億3,300万円の巨額にのぼっている。そこで、年度をまたがる場合には「会計報告」が必要になった。「下落合みどりトラスト基金」では初年度末の会計報告を、寄付をお寄せいただいた方へお伝えする、社会的義務を負うことになる。
 従来は、さまざまなお知らせや報告を、郵送によるハガキや封書で行ってきた。だが、印刷費や郵送費も大きくふくらみ、思いのほか巨額となっている。そこで、「トラスト基金のサイトで会計報告を見るから、郵送の必要はないよ!」という方、ぜひ下記のページからメールでお知らせいただければと思う。その際、メールのタイトル(件名)に「会計報告」という4文字を入れていただければわかりやすい。ぜひ、運営資金の削減にご協力いただければと思う。
http://www.jsc-com.net/shimoochiai/news/196.htm

 旧・遠藤邸の母屋や茶室が壊されたとはいえ、屋敷森は以前とまったく変わらない美しい姿で残されている。下落合の目白崖線(バッケ)に残る、いまや都内でも貴重な武蔵野原生林を、ぜひ次の世代へと残したいものだ。

■写真上:屋敷森にある、樹齢200年を超える巨大クスノキ。
■写真下:2005年秋の屋敷森中央部。西側にある蔵のみが、ポツンと残されている。