2006年(平成18)6月に作成Click!した「目白・下落合/歴史的建物のある散歩道マップ」の、きょうはアップデート情報をおとどけしたい。この2年間で、解体あるいは移築されてしまった近代建築は、わたしの知りうる限り5棟。わたしがボーッとしていて採集し忘れた、あるいは隠れるようにひっそりと残っているのに改めて気づいた、美しくて貴重な建築作品が新たに3棟。地図上でプラスマイナスすると、差し引き-2棟ということになる。
 まず、消えてしまったのは、わたしの知りうる限り以下の5棟だ。お手元の地図へ、修正情報をアナログ・インストール(要するに手書きで追記/爆!)していただきたい。なお、地図には「立教大学」と一括して記載され、キャンパス内の個別の建築は採録していないけれど、構内にあった旧・宣教師館が2007年に解体されている。
  △個人邸(近衛町)・・・2007年解体
  △メーヤー館(日本聖書神学校)・・・2007年解体(千葉県へ移築再建Click!)
  △個人邸(旧・林泉園西)・・・2008年解体
  △個人邸(下落合公園南)・・・2008年解体
  △個人邸(八島さんの前通り)・・・2007年解体Click!
  
 また、新たに増えた(わたしがうっかり見すごし、いまさらながら気づいただけで、ちゃんと昔からそこに建っていたのだけれど/汗)歴史的な建物は、以下の3棟だ。
  ▲個人邸(久七坂筋)・・・目白ヶ丘教会とともに遠藤新建築創作所による記念的な建築
  ▲個人邸(霞坂付近)・・・マンションの陰に挟まれひっそりとたたずむ下見板の大きな洋風住宅
  ▲個人邸(一ノ坂上)・・・佐伯祐三Click!と第1次滞仏時に一緒だった川口軌外アトリエ
  
 ひとつめの小林邸Click!については、以前にこちらでもご紹介している。ふたつめの霞坂付近の邸は、下の十三間通り(新目白通り)から見えなくなってしまったので、わたしはてっきり壊されてマンションになってしまったものと勘違いしていた建築だ。ところが、南側(新目白通り側)と西側(霞坂側)をマンションなどの高い建物に挟まれ、その陰に隠れていただけで邸はちゃんと健在だった。
 3つめの川口軌外アトリエだけれど、ほとんどもとのままの風情を残しているものの、少し手を入れられているようだ。石造りの門から、張り出した応接室と思われる出窓にかけてのデザインが、昔の写真と比べても変わらずにとても美しい。門の上に繁ったみどりも、当初のままの風情だ。
 
 
 「目白・下落合/歴史的建物のある散歩道マップ」は、かなり残り少なくなってきている。「カフェ杏奴」Click!さんには40部ほど、「三春堂」さんには50部ほどのストックがあるだろうか。あとは、わたしの手元に多少は残っている程度だ。

■写真上:昨年の秋に解体された、立教大学の旧・宣教師館(1927年築)。
■写真中:消えた建築と、新たに追加が必要な建築。お手元のマップへぜひご記入を。
■写真下:上左は遠藤新設計の小林邸。メンテナンスが素晴らしく、ほとんど建築当初の姿そのままだ。上右は、マンションになってしまったと勘違いしていた霞坂付近の大きな洋風住宅。下は、川口軌外アトリエの現状と1952年(昭和27)現在の邸内で、写っているのは川口軌外(右)。