ようやく、メチャクチャな違法建築に最終的な司法の判断が下された。12月17日(木)の午後1時30分から最高裁判所の第1小法廷で開かれたタヌキの森Click!をめぐる裁判で、最高裁により新宿区の上告を全面的に退ける判決が言いわたされ、ここに下落合住民側の全面勝訴が確定した。新宿区建築課Click!(新宿区は一枚岩ではなく、言わず語らず住民側を応援してくれた部局も少なくないので、ここでは「特例認定」と違法「建築確認」を出した建築課を、あえてピンポイントで名指しする)の、詭弁に満ちた没論理的で愚かしい主張は、ただのひとつも認められなかったのだ。

 もし、タヌキの森の「重層長屋」(実質はマンション)が建築基準法違反でないのであれば、新宿区はおろか東京都内は、建築分野における事実上の無法地帯となっていただろう。これで、タヌキの森の公園緑地化が実現すれば、中山弘子区長Click!をはじめ「7つの都市の森構想」を推進する関連部局とも連携して、目白崖線沿いの旧・下落合全域(中落合・中井2丁目含む)のグリーンベルト保全・回復事業に弾みがつくにちがいない。

 それにしても新宿区の内部でさえ、中山区長の「遺憾」表明をはじめ、これほど異論や反対のあるタヌキの森の「重層長屋」違法建築を、なぜ最高裁でぶざまな上告棄却をされるまで止められなかったのだろうか? わたしがブログをはじめた当初の2004年11月からだから、丸5年間にわたり「これは明らかにおかしいから、止めたほうがいいよ」というフィードバックが、なんで役所内で作用しないのだ? 今回のみっともない新宿区(建築課)の敗訴を“反面教師”として、二度とこのような住民不在の施策や姿勢はやめてもらいたい。

■図版:中山区長が推進する「7つの都市の森構想」における、落合地域の緑地保全エリア。