明けまして、おめでとうございます。本年もChinchiko Papalogを、よろしくお願い申し上げます。
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 さっそく、わが家の元旦の朝は雑煮づくりからスタート。今年は、ピーコックストアに冷凍ものじゃない鴨の胸肉がたっぷりあったので、正調下町の雑煮をつくることができた。親の世代は、鴨肉をそのまま雑煮に入れていたが、わたしは長ネギといっしょに焼いてから、食べぎわに椀へ添える。そのほうが硬くならず、雑煮が脂っぽくならないからだ。鴨肉とネギを焼く、香ばしい匂いが家内に立ちこめても、うちのオバカなネコはなぜか起きてこない。もっとも、肉のたぐいはいっさい食わないネコなのだけれど・・・。
 昼になって、氷川明神の櫛稲田姫に初詣。元旦は混んでいたので簡単なお参りだけにし、破魔矢や御籤は2日にまわす。そのあと、「杏奴」でコーヒーを飲んでから帰宅。下のオスガキが、大晦日から38度を超える熱を出してダウンしていたので、朝はお節料理が売れなかったが、上のオスガキのガールフレンドが大晦日から年越しで泊まりに来ていたので、雑煮といっしょに片付けてもらう。
 周囲が正月の華やぎでにぎやかなのに、ネコは布団の中にもぐりこんだまま、ぜんぜん起きてこない。もともと、彼女とうちのネコ(♀/4歳)とは反りが合わず、顔を見るとシャーッと牙をむき出しにして、ときどき威嚇することがある。だから、大晦日から彼女の声が聞こえるので、「ふん、にゃにさ。誰が顔見せてにゃんぞやるもんか。にゃんともむかつく女にゃのさ」と、気位の高い牝ネコは起きてこないのかもしれない。大晦日、薬王院の除夜の鐘が鳴り始めてからずっとだから、かれこれ18時間も寝っぱなしだ。
 
 日が暮れて、冬空のオオイヌ座でシリウスが輝きだすころ、わたしは2回目の雑煮をつくったのだが、20時間をすぎてもネコは起きてこなかった。もう、完全に冬眠状態だ。ネコ科の肉食獣が冬眠するとは聞いたことないが、食事もせず、トイレにも起きず、ひたすら布団の中でグーグーいびきをかきながら寝つづけている。午後8時をまわって、さすがに「寝すぎだ」と家族が起こしにいくと、目のまわりをピンク色にしたネボスケ顔が、ふらふらノコノコ布団から這い出してきた。ほとんど、24時間ぶりの目醒め。一時は、意識がないんじゃないかと心配したくらい、よく寝るネコだ。
 案のじょう、24時間眠りネコは体力・気力ともに十二分で、それから数時間あまり、人がそろそろ寝ようかと思う時間に家じゅうを暴れまわったあげく、再び深夜、布団の中にもぐって寝てしまった。夏は数時間しか眠らないのに、冬はほとんど1日じゅう気持ちよさそうに寝ている。どこのネコも、こんな様子なのだろうか。

■写真上:爆睡20時間超の寝ぼすけネコと、元旦の食卓。
■写真下:神田上水の大滝橋近く、関口芭蕉庵に居ついてる双子の茶トラ。左が「マツオ」で、右が「バショー」。(わたしが勝手に、そう呼んでいるだけなのだが) 隣接する水神社には、常時10匹近くのネコがいるが、野良ネコは家ネコに比べて寿命が4分の1以下だという。冬場の寒さとともに、睡眠不足もあるのかもしれない。