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リビングにがいこつ君も「良いでしょう」。 [気になるエトセトラ]

 先日、雑誌をパラパラ見ていたら、なんとも不思議な商品を見つけてしまった。商品名は「がいこつ模型」、ショルダーには「お医者さんも使ってる」とある。等身大の模型の傍らで、モデルさんががいこつ君ととても親しそうに、ちょっとなまめかしくわけあり風に指をからめたりしている写真。がいこつ君も、左手を「へへへ、照れるぜ」みたいなポーズをしているのだ。
 身長165cmとちょっと小柄ながいこつ君は、関節のどこからでも折り曲げることができ、自由な姿勢をとらせることができるそうだ。同じページには、コンビニの前にしゃがんでタバコをふかしてる高校生のような格好をした、少しさびしそうながいこつ君の写真が載っていた。キャプションには、「いろいろなポーズをとらせてみても良いでしょう」と書いてある。なにが「良い」のか、わたしにはよくわからないのだが、のけぞってしまったのはボディコピーだ。「リビングの片隅に置けば、お洒落なインテリアになるかもしれません」・・・だって。こんなもの、頼まれたってリビングには置きたくない。
 先日、飯田橋を歩いていたら、厚生年金病院の裏手でがいこつ君と出会った。いえ、がいこつ君が歩いていたわけじゃなく、台車の上に乗せられたがいこつ君を、白衣を着た若い男性がふたりで押していたのだ。周囲の目を意識しているせいか、ふたりともニヤニヤ笑いながら台車を押していた。カメラを持ってなくて写真を撮り損ねたけれど、このがいこつ模型もきっと医療施設や理科室へと納入されていたものなのだろう。最近は少子化のせいで学校がどんどん減り、市場が縮小ぎみ、先細りなのかもしれない。
 それにしても、いくら販路が狭まったからといって、リビングの「お洒落なインテリア」にしようと思う人はいそうもない。それとも、アレルギーでぬいぐるみが置けず、ペットも飼えない人たちをターゲットにしているのだろうか? 毎朝、出かける前にポーズを変えて、「ただいま」と帰宅するとコタツに入って片手を挙げたがいこつ君が、「やあ、お帰り。疲れただろう? さあ、コタツへお入りよ」と迎えてくれるのを楽しみにできる人は、あまりいそうにない。

身長:165cm 体重:9.4kg 材質:塩化ビニール樹脂 添付品:キャスター 価格:¥63,000


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