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湧水源に多い龍の伝説。 [気になる下落合]

武蔵高等学校.JPG
 落合地域とその周辺域には、「龍の伝説」があちこちに残っている。ときに、龍はヘビと習合して大蛇伝説や、農産物を害獣から守る蛇神伝説と結びついたりしている。このサイトをはじめた最初期に、七曲坂のヤマタノオロチ伝説をご紹介Click!したけれど、これは坂下にある氷川明神社Click!(クシナダヒメ)の出雲神話と、七曲坂の形状からくる大蛇伝説と、さらに湧水源に奉られた龍神伝説とが混合して生まれた、後世の付会物語のような気がしてならない。また、龍神を奉った湧水源や湧水池は、おもに江戸期になると弁財天Click!の信仰と習合して、弁天社Click!あるいは弁天堂が建立されるようになる。
 元来は、インドの蛇神であり水神だった「ナーガ」が、中国に伝わった際に「龍」あるいは「龍王」の当て字がつかわれたため、大蛇(おろち)や水神のイメージを残しつつ独特な「龍」という架空の動物が想像されたといわれている。だから、龍は大蛇と同一であり、また水神とも同体であるという信仰が、その後も長くつづくことになったのだろう……というのが、教科書的な解釈のしかただ。だが、日本にはすでに縄文時代から蛇信仰が認められ、原日本においては荒神祭とともに奉られる「龍蛇様」(出雲ケース)などに象徴されるように、少なくとも「龍」と習合する前後には大蛇信仰があったと思われる。
 また、日本では蛇=龍=水(泉)=雨(雷雨)というような祭祀の系統が顕著であり、近世に入ってから弁天(弁財天)がこの流れへ積極的に習合している。したがって、龍神を奉ってある古い社(やしろ)ないしは祠(ほこら)へ、後世に弁天(弁財天)が付け加えられている場所も多く、その代表例は相模湾の江ノ島に見ることができる。江戸期における江ノ島の物見遊山地化(大山詣でClick!帰りの観光地化)には、ややエロチックな姿で大きく開脚する弁財天が、格好の「人寄せパンダ」になっただろう。
 落合地域と周辺域には湧水源が多いせいか、あちこちに龍神が棲みついていた。龍神の移動も数多く目撃され、特に下落合の斜面や川沿いの道筋から、龍が飛翔する姿を見たという江戸期からの記録が残っている。その代表的な例として、妙正寺川沿いにおける目撃ケースから引用してみよう。1983年(昭和58に出版された『昔ばなし』(上落合郷土史研究会)へ収録されたものだ。龍神が棲んでいたのは、下戸塚(現・西早稲田)の富塚古墳Click!に建立されていた水稲荷社の境内池で、すぐ南には龍泉院という寺建立されている。
  
 この水稲荷の境内には、比較的大きな池があり、そこには竜が棲んでいる。……と云われていた江戸時代の末頃のことである。ある春先の日のことです。朝から大変強い風が吹いて、池の水は波立って居りました。そのうちに、その波が大きく荒れ狂い、その中から黄金色の竜がまい上がり、空高く登って行きました。その日のことである。一人の村人がバッケガ原(目白学園の下の原)の妙正寺川で釣りをしていましたが、突然風が吹き出し、そのうちに突風が吹きまくるようになったので、とても釣りなどしては居られないと思い、帰り支度をしながら空を見上げると、雲の上に黄金色の竜がのり、江古田の方に飛んで往くではありませんか!! 村人はビックリして声を立てた途端、竜はギラギラと光る目で村人を見下ろしたそうです。村人は一目散に家に帰えり、フトンを敷いて貰ってもぐり込んで寝てしまったそうですが、三日三晩物凄い熱で死ぬ苦しみにあったそうです。
  
角筈十二社滝.JPG
 この目撃談はバッケが原Click!の釣り人だけでなく、稲葉の水車Click!近くの斜面からも村人が目撃した伝承が残っている。おそらく、同一時期の目撃譚ではないかとみられる。
 ほかにも、上高田村の南側にあたる池(現・中野駅北側にあった灌漑用の打越池?)から、龍が飛びだす伝承が残っている。この沼は付近の村人も近づかない、鬱蒼とした暗い湧水沼だったようで、「龍が出るからあすこへは行くな」というのが、近くに住む村人たちの“お約束”だったらしい。少し離れた角筈十二社Click!には、龍の原型と思われる蛇伝説があり、神田上水の湧水源である井ノ頭池の蛇神とも共通している。また、中野坂上には「蛇姫様」の伝承があり、社としてはその名もズバリ白金龍昇宮が鎮座している。
 ときに、湧水源や湧水池に棲みつく龍たちは、居場所を変えるための“引っ越し”をするようで、その転居を「目撃」した村人たちが、いくつもの説話を伝えたものだろう。その正体は、雨雲の切れ目に傾いた陽光があたり、雲の移動とともにそれが飛翔する龍の姿にみえたものか、あるいはつむじ風や竜巻が上空で発生し、渦を巻いて上昇するその様子を見て「昇龍」だと拝んだものか、いまとなってはいっさいが不明だ。
桜ヶ池不動堂龍神.JPG
瀧泉寺目黒不動.JPG
 一方、落合地域の北部でも、龍と白蛇伝説とが集合した湧水池のフォークロアが伝わっている。おそらく江戸期の説話だとみられ、葛ヶ谷村(現・西落合)の弁才天池にまつわる龍神(白蛇)信仰だ。1932年(昭和7)に発行された『自性院縁起と葵陰夜話』Click!から引用してみよう。
  
 弁才天池のことに就て前に葛ヶ谷の起りの所に一寸申しましたが、この神泉は数ヶ所あり中央を千川浄水(ママ)(井草川)流れこゝに祀る弁才天の利益によつて四時滾々(こんこん)と清泉流れ絶えないと、旱魃の際などは此の神泉に雨請を祈る時は必ず龍神雲を呼び来つて、祈祷会の未だ終らない中に忽ち豪雨を降す甚だ霊験のあらたかな池で里人此の池に白蛇棲むと伝へました。近年耕地整理の為めその跡小川と化してしまいました、是れ旧の井草川で一名千川浄水(ママ)といひました。
  
 ここに書かれている「千川浄水」は千川上水のことであり、「井草川」とはその分水流で、大正期には稲葉水車あたりから妙正寺川に注いでいた落合分水Click!のことだ。昭和期になると落合分水は暗渠化が進み、現在の目白学園西側のバッケ下で妙正寺川に流れ下っていた。
中井御霊社龍王神筵旗.jpg
 このほかにも、落合地域とその周辺域には龍神伝説が多数残っており、それらはすべて湧水源や湧水池に住む主神(ぬしがみ)として語られている。上掲の記述にもあるとおり、日照りがつづき田畑の農作物が旱魃に襲われると、当時の農民たちは「龍」や「龍王」の旗を押し立てて祈祷会を開き、雨乞いの龍神頼みをしている。そんなときに使われた「龍王神」の筵旗(むしろばた)が、中井御霊社に現代まで伝わっている。

◆写真上:湧水源や湧水池があるところには、必ず龍神や蛇神の伝説が生まれている。
◆写真中上:蛇神が棲むといわれる、角筈十二社(じゅうにそう)の人工滝。滝も十二社池も埋め立てられ、蛇神が棲むといわれた当時の面影は皆無だ。
◆写真中下は、上高田にある桜ヶ池不動堂に設置された龍神手水。もうひとつ、龍の宗教的な位置づけには仏教の不動明王との習合というテーマもある。は、目黒不動(瀧泉寺)の滝に建立されている剣呑龍。滝の龍神を奉っているのではなく、本来は龍神とは無縁な剣呑龍=不動明王を表現している。ちょうどカトリックで白百合が聖母マリアを象徴するように、剣呑龍または剣巻龍は不動明王の象徴だ。
◆写真下:中井御霊社に1棹だけ伝承された、雨乞い用の筵旗「龍王神」。


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読んだ! 36

コメント 49

ChinchikoPapa

ウナギとスッポンの合わせ料理とは、なんとも贅沢な時間ですね。わたしは高くなったせいか、昨年は蒲焼を二度ほどしか食べられませんでした。「読んだ!」ボタンをありがとうございました。>NO14Ruggermanさん
by ChinchikoPapa (2016-01-19 11:51) 

ChinchikoPapa

きょうは、そこいらじゅうの家の屋根から雪が滑り落ちていますね。「読んだ!」ボタンをありがとうございました。>ryo1216さん
by ChinchikoPapa (2016-01-19 11:52) 

ChinchikoPapa

「読んだ!」ボタンをありがとうございました。>paul_226さん
by ChinchikoPapa (2016-01-19 11:53) 

ChinchikoPapa

先年も映画で風吹ジュンを観ましたが、胃がんで余命いくばくもない食堂のおばさんを演じていて、切なかったですね。「読んだ!」ボタンをありがとうございました。>いっぷくさん
by ChinchikoPapa (2016-01-19 11:59) 

ChinchikoPapa

わたしが能登半島を旅したときは、レンタカーを借りずに鉄道とバスだったのですが、バスを一度降りると1~2時間待ちは当たり前…という状況でした。いまも、当時と変わらないのでしょうね。「読んだ!」ボタンをありがとうございました。>dendenmushiさん
by ChinchikoPapa (2016-01-19 12:03) 

ChinchikoPapa

O型の血液不足は、いつも深刻だといわれていますが、血液型が不明の緊急時にはすべて、汎用性の高いO型が輸血用に使われるということで、O型のわたしとしては何となく損をしているような気になりました。w 「読んだ!」ボタンをありがとうございました。>やってみよう♪さん
by ChinchikoPapa (2016-01-19 12:10) 

ChinchikoPapa

シーズンオフのメンテナンスも、なかなかたいへんですね。すぐ近くに「修理ドック」があればいいですが、ボートは専門家や熟練技術者を要するのでしょうね。「読んだ!」ボタンをありがとうございました。>ベッピィさん(今造ROWINGTEAMさん)
by ChinchikoPapa (2016-01-19 12:14) 

ChinchikoPapa

このアルバムは、いま聴くとちょっと疲れますねえ。
「読んだ!」ボタンをありがとうございました。>xml_xslさん
by ChinchikoPapa (2016-01-19 12:18) 

ChinchikoPapa

住民が設置した「仮ホーム」のお話が出ていましたが、土手状に土を盛り上げただけのホームで乗客がややジャンプして降りたとか、郊外駅の資料を見てますと現代とはずいぶん様子が異なるホームが記録されていますね。「読んだ!」ボタンをありがとうございました。>kurakichiさん
by ChinchikoPapa (2016-01-19 12:28) 

ChinchikoPapa

「読んだ!」ボタンをありがとうございました。>トレンダー櫻井さん
by ChinchikoPapa (2016-01-19 12:31) 

ChinchikoPapa

幕張メッセは、いつもシステム/ソリューション系の展示会で出かけるのですが、モーターショウだとぜんぜん雰囲気がちがいますね。w 「読んだ!」ボタンをありがとうございました。>kiyoさん
by ChinchikoPapa (2016-01-19 12:37) 

ChinchikoPapa

野焼きの煙が、香ばしい匂いを運んできそうですね。
「読んだ!」ボタンをありがとうございました。>okin-02さん
by ChinchikoPapa (2016-01-19 12:39) 

ChinchikoPapa

『五色の虹』は、まだ読んだことがないですね。興味深い作品です。「読んだ!」ボタンをありがとうございました。>SILENTさん
by ChinchikoPapa (2016-01-19 16:15) 

ChinchikoPapa

♪冬の浜辺は~さみしくて~と、『夏の日の想い出』ではないですが、このところ海岸に出かけたくてムズムズしています。「読んだ!」ボタンをありがとうございました。>タッチおじさんさん
by ChinchikoPapa (2016-01-19 16:21) 

ChinchikoPapa

勝田さんは、ふだんからそんな人なんですかね。離婚した妻子に仕送りしているとか、失業中とか、なにか背景がありそうな気がします。w 「読んだ!」ボタンをありがとうございました。>ぼんぼちぼちぼちさん
by ChinchikoPapa (2016-01-19 18:10) 

ChinchikoPapa

お寺に出かけたら大量に酒粕をいただいてしまい、正月早々から甘酒を飲んでいたりします。「読んだ!」ボタンをありがとうございました。>アヨアン・イゴカーさん
by ChinchikoPapa (2016-01-20 11:33) 

ChinchikoPapa

「読んだ!」ボタンをありがとうございました。>banpeiyuさん
by ChinchikoPapa (2016-01-20 11:40) 

ChinchikoPapa

いつも「読んだ!」ボタンをありがとうございます。>剛力ラブさん
by ChinchikoPapa (2016-01-20 11:43) 

ChinchikoPapa

「読んだ!」ボタンをありがとうございました。>コミックンさん
by ChinchikoPapa (2016-01-20 11:44) 

ChinchikoPapa

わたしは、Soーnetとfacebook以外のネット上へなにか書き込んだり、表現したりすることはまず基本的にありませんので、それ以外のネット上で見られるわたしのハンドルは、すべて“なりすまし”と思っていただいていいと思います。w 「読んだ!」ボタンをありがとうございました。>Ujiki.oOさん
by ChinchikoPapa (2016-01-20 11:53) 

ChinchikoPapa

いつも「読んだ!」ボタンをありがとうございます。>mentaikoさん
by ChinchikoPapa (2016-01-20 11:55) 

ChinchikoPapa

「読んだ!」ボタンをありがとうございました。>モグラたたきさん
by ChinchikoPapa (2016-01-20 12:30) 

ChinchikoPapa

いつも「読んだ!」ボタンをありがとうございます。>宝生富貴さん
by ChinchikoPapa (2016-01-20 13:28) 

ChinchikoPapa

タコスがないのでレジスターを持ってったって、ただのドロボー映像ですね。w 「読んだ!」ボタンをありがとうございました。>shingekiさん
by ChinchikoPapa (2016-01-20 17:33) 

うつぎれい

お久しぶりです。 うつぎれい です。

ずっとご無沙汰しております。

おやおや、私の以前のページでも、長崎村での水乞いのエピソードや、葛が谷の湧き水や千川上水については少しばかり書いておりましたが、竜の話にまでは全然辿りついておらず、この辺の至る処に竜神の伝承が有ったのだとは、全く気付いておりませんでした。

まあ考えてみれば「落合」の地ですから、至る処に小さな滝や湧き水があって当然なワケで、其処に「竜神伝説」や「弁天様」の話がある・・・というのは、全く当然なのですね。

尤も、他のエピソードはともかくも、「波が大きく荒れ狂い、その中から黄金色の竜がまい上がり、空高く登って行きました」 「雲の上に黄金色の竜がのり」 「バッケが原Click!の釣り人だけでなく、稲葉の水車Click!近くの斜面からも村人が目撃した伝承が残って」という記述の繋がりは、私の目から見ると、水中から何か途轍もない ( 江戸時代末期の人々の目からはギラギラと輝く龍の鱗としか見えないような ) モノが突然飛び出し、空へと昇って行き、釣り人一人だけでなく、他にも同じモノを目撃していた村人が居た。
つまり何らかの客観的な現象が其処の池と上空で起き、それは江古田の方に向かってキラキラ輝きつつ飛んで行った・・・という現象の記録にしか見えませんので、( 先頃私が月面で見付けた多数の証拠を考慮に入れれば ) それは本当は龍の昇天ではなく、水中に潜んでいた UFO 発進の目撃談であったろう・・・となるのですが、如何でしょう?

何しろ家康の居た当時の駿府城にも、異形の肉人と呼ばれた怪物が突然場内に現れて大騒ぎになったり、千葉だったかのハラヤドリの浜に打ち上げられた虚船 ( 円盤状の乗り物 ) と、そこから出てきた謎の女・・・というような話も色々有りますから。 おっとコメント欄で暴走しそうです。ストップ。

ここの処ずっと地域からも、地球からも遠く離れて月面とか火星の表面とかの事ばっかり調べ回っていますので、久しぶりに此処に来ると何かちょっと故郷に戻ってきたみたいな感じがしております。 ・・・と言いつつ上のようなことをまた。

数日前に、以前のウチの長崎村物語サイト内でちょっと紹介してた「落ち延びた豊島一族のその後」のエピソードのネタ元になってた、佐藤守さんという方の「僕のルーツ・中世への旅」という ( ずっと行方不明だった ) ページを再び見付けることが出来ましたので、久しぶりにそのリンクを件のページに作って、ほぼ6年振り位に更新しました。
 ( 因みにこちらです http://www.mumyosha.co.jp/ndanda/06/medieval05.html )

私はもうこの歳なので、今年の年末までで人生が終わるとでも思って、出来る事を全部躊躇せずにどんどん完成させて行かないと、このまま大したことも出来ずに終わってしまうゾ・・・と元旦に自戒しました。

とにかく手をつけること、途中でとめないで完成させること。実際に始めた事しか出来上がらない。
ちょとでも後回しにした事は結局、人生の終わりにも多分出来ないままで終わる。
だからとにかく「今直ぐ」始めろ・・・が最近のモットーです。
今年一杯の生命だと思って本気で頑張ります。

ChinchikoPapa さんも、相変わらずお元気そうで、何よりです。

では、また。



by うつぎれい (2016-01-20 20:20) 

うつぎれい

追記

ひとつ言い忘れました。 「黄金色の竜」というのもまた、多くの UFO が移動中に呈する色がオレンジ色である事とも符合します。 また水中より自転しながら飛び出して来る円盤型の物体はトグロを巻いたまま上昇する龍のイメージを掻き立てるでしょう。

参考までに、この釣り人の目撃談とよく似た目撃を、太平洋を横断中の探検家トール・ハイエルダールがその航海記に次のように記してる箇所があります。

 [ 傍証 ; 早々と 1947 年にはもう、ノルウェーの人類学者で探検家のトール・ヘイエルダール氏が、コンティキ号での太平洋横断航海中、闇夜の海面が急に波立ち激しく沸き立って、海中から何か大きな車輪のような物体 ( UFO ) が飛び出し、空中で回るのが見えた。…と正にそのような場面との偶然の遭遇を自身の航海記に記してます。 が、当時は未だ空中の未確認飛行物体が現れたばかりで、未確認海中物体が有るなどという事は、全く知られていませんでした。 ]
by うつぎれい (2016-01-20 21:05) 

ChinchikoPapa

うつぎれいさん、コメントをありがとうございます。
わたしはUFOではなくて、神田上水の「サイ」伝説と同様に、なにか当時の人たちにはこの周辺で見慣れない生き物=UMA的な存在ではないか、または既知のものを不思議な現象に見誤ったか、あるいは現在の都内では障害物(ビル群)が多くて起きにくくなった、大型のつむじ風の一種に西日が当たって金色に輝いて見えたのではないか……などと想像していたのですが。
あと、当時の江戸近郊でよく記録される、金色の尾を長く引く「ヒトダマ」あるいは大型の「カネダマ」の一種かなとも思いました。この目撃例は、特に記事に登場している妙正寺川からバッケが原にかけてが多く、上高田地域では特徴的な昔話となっていますね。その説明として、江戸期から近くにあった落合火葬場の存在が挙げられ、ことさら霊的な話へと結びつけられるのですが、真昼間に起きた現象としては結びつけにくかったのではないか……という想定です。
この伝でいきますと、考えられる現象としてはプラズマか、なんらかのガスが引火して、その火塊が上空へのぼっていった……ということになるでしょうか。さまざまな「火の玉」が多く記録された、バッケが原を含む上高田地域ですので、定期的に発生するなにかの自然現象も、疑ってみる必要がありそうですね。ひとりの人物の目撃だけでなく、複数の人間が見ているところをみますと、何らかの物理的な現象だったことはまちがいなさそうです。
いま現在、弁天の社または堂が奉られているところは、ほとんどが江戸期の建立で新しく、江戸期に勧請された社や堂ではなく、より古い社や堂の元神をたどると、龍神または蛇神であることが多いですね。また、龍神・蛇神から、龍つながりで不動堂へと「進化」した堂も多そうです。
わたしももう歳ですから、来年はこないと思って仕事やここの記事を進めています。w それに、昨年うちの義母も97歳で逝きましたが、大正から戦前にかけての証言者が、どんどん亡くなっていく状況ですので、その証言を取材しておきたい……という思いもあったりします。きょうも、こちらに登場している画家のご子孫が亡くなり、ガッカリしているところだったりします。
by ChinchikoPapa (2016-01-20 23:12) 

ChinchikoPapa

山城には、刀工を城内へ抱えこんだところもありますので、そのような鍛冶跡と刀工の事蹟を訪ねてみたいですね。「読んだ!」ボタンをありがとうございました。>simousayama-unamiさん
by ChinchikoPapa (2016-01-20 23:16) 

ChinchikoPapa

紙コップで酒やコーヒーは、ちょっと飲みたくないですね。
「読んだ!」ボタンをありがとうございました。>skekhtehuacsoさん
by ChinchikoPapa (2016-01-20 23:18) 

ChinchikoPapa

石川セリの『Midnight Love Call』が、なんともいえず懐かしいですね。「読んだ!」ボタンをありがとうございました。>(。・_・。)2kさん

by ChinchikoPapa (2016-01-21 15:29) 

ChinchikoPapa

ナポレオンの伸長は168cmといいますから、服はいまの日本の若い子にも小さいでしょうか。「読んだ!」ボタンをありがとうございました。>ネオ・アッキーさん
by ChinchikoPapa (2016-01-21 15:33) 

ChinchikoPapa

先年の秋、散歩がてら社巡りをしたあとに気づいたのですが、神無月でしたので、すべての社の奉神は出雲へ集合中で不在でした。w 「読んだ!」ボタンをありがとうございました。>讃岐人さん
by ChinchikoPapa (2016-01-21 15:40) 

ChinchikoPapa

「読んだ!」ボタンをありがとうございました。>ライトさん
by ChinchikoPapa (2016-01-21 15:42) 

うつぎれい

うーん、不思議な伝承記述に対する解釈の差って大きいんですねえ。
それでも、1度だけ ChinchikoPapa さんに質問します。
以前にこのコメント欄でも一寸触れて紹介していたとは思うのですが、JAXAの「かぐや」が撮った月面の高精細写真に写ってるおびただしい数の月面の異常な形の構造物や光体http://www.geocities.jp/netreal_bookbox/utzugi/images/Alien_MoonBase_select/slider34_980/032.htm
を実際に見られました?
で、月面のたった1/400の範囲だけでも恐らく数千ヶ所もの ET の拠点らしきものが確認出来る状態だというのに、高々百数十年前の江戸時代の妙正寺川や落合崖線沿いの地中に UFO の拠点があって、当時の村人が龍が出ると怖れてなかなか近付こうとしなかった辺りでの目撃例多発となっていたのだと想像しないのかが、実は私には良く分からないのです。 ( 私もグーグルムーンでかぐやの写真を見付け、その細部をチェックしててあれ程にも多くの ET 施設を見付けてしまうまでは、何でもかんでも ET や UFO に結び付けては考えなかったのですが、月面でのあの密度を見てしまうと、地球上にも大昔から物凄い数の ET や UFO が張り付いていたろう・・・と考えざるを得なくなったのです。 )
ChinchikoPapa さんは本当に、あのかぐやの写真に写ってる厖大な ET 存在の証拠を見ても、考えは変わらないのですか?


by うつぎれい (2016-01-21 22:43) 

ChinchikoPapa

うつぎれいさん、重ねてコメントをありがとうございます。
うーーん、同じ現象を見て、あるいは同じような現象の記録に出合って、自分と同じモノの見え方をしないのは不思議だ、または同一の結論ないしは解釈をしないのは不思議だ……といわれましても困っちゃいますね。^^;
むしろ、みながみな同じ結論や同一の見え方をしてしまうことこそ、不思議に感じてしまう天邪鬼な性格です。わたしは「UFO」に関する知識も、また「月面」に対する知識も浅学ながらほとんど持ち合わせていませんので、自身がこの地域を調べて知る限りの現象や取材経過から、先述のような解釈をしたまでで、そのわたしがなぜ上高田の龍神伝説から、いきなり「月面の構造物」の話に無理やりふられ、それに対する解釈などを強引に求められなければならないのでしょうか?
ご自身で、ものすごい論理的ないしはコミュニケーション上の飛躍が、上記の文章には存在しているとは思われませんか?
落合地域あるいは上高田に残る昔話は、今日のように科学的な証拠や正確な画像などが存在しないため、わたしにはなんら断定する根拠も物証も持ち合わせていません。したがって、それが実際になんだったのかは不明だ……というのが、わたしの最終的な結論です。
ただし、想像をたくましくするならば……ということで書いたのが上記のコメントでした。あくまでも、後世にまとめられた資料の中の記述(それさえ実際の目撃当時に比べ、どれだけ正確性を保持しているかは疑問が残る伝承です)にもとづいた現象についての、想像を書いているにすぎません。うつぎさんのコメントも、わたしと同一の記述、つまりこの記事に掲載した伝承記録(月面の話じゃありません、下落合と上高田の話ですよw)の基盤上に築かれた想像ですよね?
それを、あなたの想像は間違っている、「考えは変わらないのですか?」とは、きわめて傲慢で失礼なモノいいだとは思われないのですか? 
by ChinchikoPapa (2016-01-21 23:55) 

うつぎれい

ChinchikoPapa さん。
わざわざ丁寧な回答を有難うございます。
私ひとりがどうもお手を煩わせているようですね。w

> それを、あなたの想像は間違っている、「考えは変わらないのですか?」とは、きわめて傲慢で失礼なモノいいだとは思われないのですか?

すみません。 ChinchikoPapa さんにそう受け取られ得るのだとは、私の方はそれこそ全く気付いてませんでした。

私が上で 「ChinchikoPapa さんは本当に、あのかぐやの写真に写ってる厖大な ET 存在の証拠を見ても、考えは変わらないのですか?」 と書いたのは、ChinchikoPapa さんは多分、まだこのかぐやの写真が月面で捉えてるこうした実態に気付いていないのではないか? もしそうならその実態に一旦気付けば推論の環境基盤が大きく変わり、判断が変わるのではないか? と考えてそう書いたので、別に悪意があるわけではありません。
私には、あの公的な写真中の異常さを見てもまだ、宇宙人は地球になんか来てない・・・と本気で思える人がいるとは、( 拒否反応を起こす人々以外 ) 考えられないからです。

> うつぎさんのコメントも、わたしと同一の記述、つまりこの記事に掲載した伝承記録(月面の話じゃありません、下落合と上高田の話ですよw)の基盤上に築かれた想像ですよね?

・・・ともありますが、私の想像は下落合と上高田の伝承記録に上の月面上の実態が現実に存在するという事を基盤にしてのものです。

長くETやUFOや超常現象といったものを研究してきてる私の視点は、他の人とは相当違うもののようですが、論理的ではある筈で、まさか ChinchikoPapa さんに「きわめて傲慢で失礼なモノいいだとは思われないのですか?」 と反発されることになるとは夢にも思っていませんでした。

私が「一度だけ質問します」と書いたのは、私には何となく ChinchikoPapa さんが、UFO現象というものの可能性を、初めから避けて除外してるような印象があったからで、もしも本当はそうでないのなら、月面のあの異常構造物や光体というのは、ETがもはや絶対的に存在しこの地球と関わり続けている・・・という決定的な証拠写真なので、それに対する意見を是非聞いてみたい・・・と思っただけです。

私にはETやUFOによる地球人への歴史的な干渉というのは今や完全に現実的な重大問題なので、想像の範囲の事では全くないのです。

もしも上のように言い換えましてもまだ、こうした質問の仕方が「傲慢で失礼な物言い」だと思われるのでしたら、それはもう仕方がありません。

この種の質問や意見は、こちらの場所では以後二度と持ち出さないよう気をつけますので、どうかご容赦下さい。


by うつぎれい (2016-01-22 12:12) 

ChinchikoPapa

うつぎれいさん、重ねてコメントをありがとうございます。
「ChinchikoPapa さんが、UFO現象というものの可能性を、初めから避けて除外してるような印象があったから」と書かれていますが、「UFO」に限らず、わたしが興味のないテーマに関しては、このサイトの記事の最初からさっさと除外していますし、また「UFO」に関しては興味がないせいか、ベースとなる基礎知識も持ちあわせてはおらず、避けているのではなくて「特に書くこともない」からです。

ちなみに、幽霊や心霊現象、お化け、妖怪、UMAに関しては興味がありますので、ここの記事でも地域の伝承や民俗学などとからめて、何度も繰り返し取り上げてきてはいますが……。w

たとえば、上記のうつぎさんの文脈に寄り添わせていただくような書き方をしますと……「これだけハッキリした龍というUMAの存在を証明する目撃情報なのに、なぜ龍ではなく“UFO”や“宇宙人”などというテーマに、容易にスライドしてしまうのですか? 龍は、アジアでは紀元前から各地で目撃情報が無数(文字通り数え切れないほど)に存在しており、その目撃された形態は、絵画や彫刻をはじめ、陶器、金工細工、建築、山車・神輿の細工物など、多彩な表現領域で非常に具体的かつ鮮明な姿として記録されています。しかも、個々別々バラバラの姿としてではなく、ほぼ共通で統一された容姿として明確に表現(足指の本数が不統一なだけです)されているわけですから、龍の実在を信じられないのがむしろ不思議です。」

「しかも、各国では龍の存在を政府も半ば「公認」しており、日本では1871年(明治4)に2銭銅貨のデザインとして採用されており、近代日本の政府自体もその存在をほぼ「公式」に認めているわけです。」
http://homepage3.nifty.com/redpepper/round/2sen_dou.htm

「数千年間にわたって主にアジアで目撃され、その存在も、容姿も明確化されている龍を、なぜあえて“UFO”などにたとえられているのか、わたしには不可解としかいいようがありません。だって、落合や上高田、戸塚の住民たちは「龍を見た」とハッキリと直接的かつ明確に証言しているではありませんか? このまま龍の存在を認めず、看過していたら、いつ人々が襲われて犠牲者が出るかわかりません。それほど、危機的な状況だと思います。」
……というような、いきなり落合・上高田地域の伝承に残る不思議な昔話から、「龍の実在」と「その危険性」を信じないとは不思議で不可解千万だ、避けているとしか思えない……的な書き方をされたら、わたしでなくても誰でも「はぁ?? ちょっと待ってよ」と感じるのではないでしょうか。w

たとえ、それが龍ではなく「UFO」でも同様です。相手が龍に対して、まったく興味のない人物だったとすれば、「なぜ龍の実在がわからない、認めない、理解しようとしない」的な書き方をされれば、不快感をおぼえるのはむしろ当然ですよね。あえて書く必要もないかもしれませんが、人は世界観や価値観のちがいによって、興味を抱くテーマや領域もまた人それぞれ、千差万別だと思います。

ちなみに、わたしはUFOには興味がありませんが、龍が実在するかしないか、あるいは龍に似て史的に転化しているかもしれない大蛇(おろち)の伝承、あるいは飛翔がからむ場合にはなにか別のUMAを疑ってみる……というようなテーマには、がぜん興味が湧きますので、この先書くことがあるかもしれません。

別にご質問は、こちらのコメント欄でいくらでもされて結構ですが、わたしの興味がないこと、あるいは興味がないがゆえにベースとなる知識をともなわないテーマについては、なんともお答えのしようがない(書きようがない)というのが正直なところです。
by ChinchikoPapa (2016-01-22 17:41) 

うつぎれい

> なぜ、~ に容易にスライドしてしまうのですか?

いわずもがな、天空の蛇、龍、竜、羽毛を持った蛇 ( ククルカン、ビラコチャ・タチャヤチャチック ) ・・・などは、シュメール、マヤ、インカの伝承などでもその象徴であり、竜の玉とは空に出現する円い形のもの、それを追う竜や蛇とは光り輝きつつ空を行く長い棒状のそれの象徴という研究が、既にずっと以前から存在してる為です。

それ以外については全て了解です。
どうも失礼いたしました。


by うつぎれい (2016-01-22 19:20) 

ChinchikoPapa

午後1時をすぎるころから、急に冷えはじめましたね。予報どおり、やはり雪になりそうです。「読んだ!」ボタンをありがとうございました。>うたぞーさん
by ChinchikoPapa (2016-01-23 14:43) 

ChinchikoPapa

うつぎれいさん、コメントをありがとうございます。
興味深いのは、アジア圏の龍とヨーロッパ圏の龍(ドラゴン)とで大きく異なる特徴点に、翼の有無がありますね。
ずいぶん以前から、この“翼”の差異についていろいろ論じられていますが、もともと龍は“アジア出身”の霊獣で、それが世界各地へ伝播していくにつれ、各地の文化や伝説と習合を繰り返すことで、さまざまな形質を備えるにいたった……という説が、もっとも説得力が高いように思いました。
日本の絵画表現の中にも、申しわけ程度の小さな翼をつけている龍がありますけれど、「翼がないと空を飛べない」という非常に現実的、なおかつ即物的な観点をもつ画家が、あえて小さな翼を加えたものでしょうね。
by ChinchikoPapa (2016-01-23 14:56) 

ChinchikoPapa

こちらにも、「読んだ!」ボタンをありがとうございました。>sigさん
by ChinchikoPapa (2016-01-23 20:48) 

ChinchikoPapa

こちらにも、「読んだ!」ボタンをありがとうございました。>月夜のうずのしゅげさん
by ChinchikoPapa (2016-01-24 18:50) 

Marigreen

Papaさんの過去の記事をもっと読もうと思っていたのに、うつぎれいさんとPapaさんの論争を読んでたら、くたくたになりました。私は龍の目撃を無邪気にそのまま受け取りました。不思議な現象は分析したり、原因を追究したりしないで、そのまま驚いたり感激しているのが好きです。とても面白く楽しい記事でした。
by Marigreen (2016-01-27 10:26) 

ChinchikoPapa

Marigreenさん、コメントをありがとうございます。
別に双方の認識や世界観がかみ合わない、すれ違いで「論争」以前のやり取りだと思うのですが、お楽しみいただけたのならなによりでした。
by ChinchikoPapa (2016-01-27 11:47) 

ChinchikoPapa

以前の記事にまで、「読んだ!」ボタンをありがとうございました。>opas10さん
by ChinchikoPapa (2016-01-30 22:51) 

ChinchikoPapa

以前の記事にまで、わざわざ「読んだ!」ボタンをありがとうございました。>lequicheさん
by ChinchikoPapa (2016-01-31 16:55) 

ChinchikoPapa

このサイトでアクセス数が多い中に、ときどき「なんで?」と思うような記事があります。不思議に思って記事を調べてみると、「グラビアアイドル」とか「美人」とかをキーワードにして検索している人が、誤って(?)ここの記事にたどり着いているようですね。「読んだ!」ボタンをありがとうございました。>suzuran6さん
by ChinchikoPapa (2016-02-10 16:57) 

うつき゜れい

火星や月面はさておいて、上のコメントを書いた翌月の2月には地上に舞い戻りまして、今度はフランスの建築家 ジャン・ピエール・ウーダン氏の例の仮説を土台に、大ピラミッドの巨石 ( 概ねは 2.5 トン ~ 60 トン ) を運び上げ得た力学的な面を解明するページを作っていました。

http://www.geocities.jp/netreal_bookbox/utzugi/OpenLetters_014.htm

これだと ChinchikoPapa さんにも興味を持って貰えるかな?

今回は取り敢えず、大ピラミッドに使われてる石程度の巨きさや重さなら、「ETの関与無しにも十分説明が付く」・・・という、人間世界にとどまっての最終結論となりました。

尤も、ロシアのゴルナヤ・ショリア山中で最近、学術的にも確認された、10000年も前の巨石遺構の、推定で1個2400 トンの切り石となると、今のところ全く手に負えそうもありませんが・・・。

>「グラビアアイドル」とか「美人」とかをキーワードにして

成る程。私のブログも最近、ベラボーにアクセスが増えて、その増えてる分の殆どが、小保方さんについてのページに集中してて、何でかと思ったら、彼女が最近出した本のせいだったようです。

by うつき゜れい (2016-03-10 16:21) 

ChinchikoPapa

うつぎれいさん、コメントをありがとうございます。
今度はピラミッド。^^; 日本の1万年前の縄文初期でさえ、ナゾに満ちみちているのですが、他地域しかも遠いエジプトのピラミッドは、わたしの視界がとどくテーマのはるか彼方で、しかも遺跡現場を気軽に歩きまわってフィールドワークないしは検証するわけにもいかず、ちょうと茫洋としすぎています。w
いや、つい70年ほど前の「下山事件」でさえ、その謎や全貌がようやく透けてみえるのに50年ほどの年月を要していますから、1万年前の謎に迫るのは、その筋の専門家にお任せしたほうがよさそうですね。
のちほど、拝読させていただきます。
by ChinchikoPapa (2016-03-10 18:23) 

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