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バナナを植えちゃったお屋敷。 [気になるエトセトラ]


 ふつう、目白・下落合界隈の気のきいたお宅で目にするのは、洋風の玄関脇に植えられた棕櫚の木だ。特に、スペイン風デザインの住宅には、棕櫚がとてもよく似合う。おそらく、米国の西海岸から伝わったスパニッシュ住宅だから、日本では育たないパームの代わりに、なんとなく風情が似ている棕櫚を植えることにしたのだろう。同様に、背は低いがソテツを植えたお宅もたまに見かける。スーッとまっすぐに伸びて、頂きで葉が開いたように茂るこれらの木の立ち姿が、スペイン風の住宅デザインとは相性がいいのだろう。
 ところが、なにを思われたのか、お庭にバナナを植えてしまったお宅がある。巨大な花弁のついた黄色い花が終わったあと、さっそくバナナの果実が実りはじめている。いや、果実ばかりではなくて、花の雄しべなども食べられるそうだから、塩茹でしたあとマヨネーズかなにかをつけてバナナの花サラダ大盛り・・・というのも“有り”なのだそうだ。別に、あまり美味しそうでもないけれど。このバナナ、ここ数年に植えられたものではなく、ずいぶん以前からスクスクと育っているようなので、毎年収穫されているのだろう。

 でも、気になるのが花の咲いた時期。バナナの花は、ふつう秋口に咲くのだそうだが、いまは梅雨まっ盛り。少し前に花が咲いていたことを想定すると、開花の時期がやたら早くないだろうか? それとも、東京でバナナを育てると、開花時期が4ヶ月ほど早まるのだろうか? 花のうしろにある、かんじんの実の部分も順調に育っているようなので、きっとそんな心配など「大きなお世話」なのだろう。真夏に実るバナナがあったって、い~じゃないか!
 子供のころ、熱が出るとバナナかリンゴが枕元に出てきた。季節によっては、カキもあったかな。リンゴやカキだとがっかりするが、バナナやメロン、パイナップルだと何度でも発熱してやれと思ったものだ。それほど、遠い南の島で採れるバナナやパインは、病気になったときの特別な“ご褒美”そのものだった。もっとも、これらの果実は、身体を強く冷やして体温を下げるのに効果的だと知ったのは、ずいぶんあとのこと。熱帯地方で採れるトロピカルフルーツは、身体を冷やすチャンピオンだったのだ。だから、冷え性の人が南国フルーツを食べるのは、ことさら厳禁らしい。
 
 それにしても、お庭に植えたバナナの木。棕櫚やソテツに比べ、葉は幅広で重たくのっぺりしていて巨大だ。それだけ、風の影響を受けやすいのか、強風が吹くと破れてボロボロになってしまう。ボロボロになったところが、なんとなくパームの葉に似ていないこともないけれど、そこまで考えてバナナの木を植えられてるとも思えない。きっと、子供のころに発熱したとき、わたしと同じような体験をされているのだろう。
 きょうはバナナかな? パインかな? 庭にバナナやパイナップルの木があったら、病気のときだけじゃなくて、いつでも好きなときに食べられていいのにな。きっと、いいのにな・・・。

■写真は、バナナのある屋敷風景。は、定番の棕櫚が玄関先に植えられているお屋敷。いずれも、目白界隈(旧・高田町と旧・長崎町)にある住宅街にて。


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ChinchikoPapa

バナナは1年樹だというのを、ある方からお知らせいただいた。
果実を収穫したら枯れてしまうとのこと。
それにしても、1年でこれほど巨大に育つのだろうか? バナナ
と同類の「芭蕉」も、1年で枯れてしまうのだろうか? 身近な
フルーツなのに、知らないことばかりだ。
by ChinchikoPapa (2006-07-20 20:20) 

エム

一年樹(という言い方があるのかしら?)というよりも、多年草なのですよ。
そういえば我が家のジンジャーもあっという間に1メートルを超す高さに
育ちますので、地植のバナナならもっと育つのでしょうね。
by エム (2006-07-20 20:37) 

ChinchikoPapa

エムさん、こんばんは。コメントをありがとうございます。
あれっ、ということは、また来年も同じように生えてきて、同じぐらいの大きさに育つ可能性がある・・・ということでしょうか? バナナはむずかしいですね。(^^;
by ChinchikoPapa (2006-07-20 21:04) 

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